FLAGジャーナル(第2期)DAY3 クリエイティブシンキング(須藤玲子先生)

 

テキスタイルデザイナー須藤玲子氏に学ぶ、創造の源泉とビジネスの本質

「テキスタイルデザイナーの講義は、私たちのビジネスにどう繋がるのだろう?」

FLAGのクリエイティブシンキング第3回目、日本を代表するテキスタイルデザイナー、須藤玲子先生の登壇と聞き、最初はそう思った方もいらっしゃるかもしれません。しかし、講義が終わる頃には、その疑問は感動と、自身の仕事への深い洞察に変わっていました。

 

須藤玲子氏とは?伝統と革新を織りなすテキスタイルの世界

須藤玲子先生は、デザインスタジオ「NUNO(布)」を率い、日本の伝統的な染織技術と最新テクノロジーを大胆に融合させた独創的な布を世界に発信し続けているテキスタイルデザイナーです。その作品はニューヨーク近代美術館(MoMA)をはじめとする世界の名だたる美術館に収蔵され、国内外で高く評価されています。2013年からは、日本デザインコミッティーのメンバーとしてもご活躍中です。

今回の講義では、須藤先生ご自身と「NUNO」の活動について、まるで日本各地の布の産地を旅するようにご紹介いただきました。先生が実際に足を運び、その土地の歴史や文化、そして作り手の想いに触れ、そこから生まれるテキスタイルの物語に、会場全体がぐっと引き込まれていきました。

ビジネスのリアルと決断の重み

講義後半のQ&Aセッションは、受講者にとってまさに「ここだけの話」の連続でした。自身の仕事で直面している課題を率直にぶつける受講生に対し、須藤先生は具体的なプロジェクトの事例や、時には困難な決断を迫られた際の経験を交えながら、真摯に、そしてリアルな言葉で答えてくださいました。

その言葉一つひとつが、質問者だけでなく、その場にいた全員にとって、自らの仕事を見つめ直し、新たなエッセンスを発見する貴重な機会となったはずです。

五感で感じる「本物」の力想いが宿る布に触れて

そして、この日の感動をさらに深めたのが、実際にNUNOのテキスタイルに触れることができた体験です。産地ごとの特色ある布地は、見るだけでなく、その手触り、質感、重みから、作り手の想いや土地の物語がダイレクトに伝わってくるようでした。想いのこもった講義の後だったからこそ、心に残る体験となりました。

受講者の声が物語る、FLAGで学ぶ「価値」

講義終了後、受講者の皆さんからは熱のこもった感想が多数寄せられました。いくつかご紹介します。

  • 「まさにFLAGならではの講義。須藤先生の情熱、NUNOが積み重ねてきた実績の背景にある、日本の布への深い愛情と仲間との絆に心から感動しました。」
  • 「実際に産地に足を運ぶことで見えてくる歴史や風土、文化。それらを作品と結びつけることで生まれる独自の価値の創造は、どのビジネスにも通じるものだと感じました。」
  • 「効率化やコストダウンが優先され、クオリティが二の次にされがちな現代において、決して妥協しない須藤先生の姿勢と信念の強さは、これからの自分のキャリアを考える上で大きな指針となりました。」

これらの声は、須藤先生の講義が単なる知識の習得に留まらず、参加者一人ひとりの価値観や仕事への向き合い方に深く影響を与えたことがうかがえます。

 

クリエイティブの力で、未来を切り拓くヒントを

今回の須藤玲子先生の講義は、テキスタイルデザインという領域を超え、私たちビジネスパーソンが日々向き合う「価値創造」「課題解決」「意思決定」において、いかにクリエイティブな思考が重要であるかを改めて教えてくれました。

FLAGでは、今後もこのような第一線で活躍する実践者から直接学ぶことができるクリエイティブシンキングの講義をご用意しています(第2期では残り2回開催)。日常の業務から一歩離れ、新たな視点やインスピレーションを得る貴重な機会となるはずです。どうぞご期待ください。