一歩踏み出した先に広がっているものは壮大。
自分の頭がとても自由になる感覚がありました。

本田 夏菜

③次世代を拓くスペシャリティ分野
三井デザインテック株式会社/チーフデザイナー/東京都/30代

本田 夏菜

なぜFLAGを受講しようと思いましたか?  

私は空間のデザインをしています。空間が空っぽの状態から、コンセプトをたて、レイアウトを組み意匠を施し、作り手と協力し具現化までを担う、人の活動する場をデザインする仕事です。

学生時代は「ファッション業界の仕事がしたい」という漠然とした思いがあり経営学を学んでいました。たくさんのブランドの店舗空間を見るうちに、人やモノの出会いの場を作る事の方が自分に合っているのかもしれないと思い、大学と並行して夜間の専門学校に通い、運良く希望のデザイン事務所に入社できたことがキャリアの始まりです。かっこいい先輩方の背中を追いかけられる環境に恵まれ、現場で空間デザインを学び今に至ります。

最近は外部の専門家とモノづくりをすることが増え、外部パートナーの知識の深さ、そして領域を跨ぐ幅広さを目の当たりにし、「自分はどうだろうか。一つの分野の経験に留まらず、新しいことを学びたい!」と思ったことが受講のきっかけです。空間デザインは、プロジェクトごとに違う刺激があり、日々学びがある大変やりがいのある仕事ですが、普段触れられることの外に自分を成長させるスイッチがあるのではないかと思いました。

FLAGを受講して得られた気づきや学びは何ですか?

職業柄、デザイン思考等の思考法は会社で研修を受ける機会があり、これまで業務上感覚的にやってきたことを体系的に学べることに満足していました。

でもFLAGで驚いたのは、そういった型の使い方が、講師によって異なるということです。普段はお話を伺えないような先生から聞く、その“違い”の幅広さを知ることができたことで、自分の頭がとても自由になる感覚を覚えました。

グループワークではクラフトビールをテーマに掲げています。

5人いるメンバーの共通の興味は「地方を元気にしたい」ということでしたが、テーマについて話している時に、メンバーのひとりが「私、ビールがとても好きなんです!」という話をしてくれて。私は普段ビールをあまり飲みませんし、メンバーの中にはビールが苦手な人もいましたが、みんなで話していたらクラフトビールを中心に展開していくアイディアがどんどん出てきました。

話し合いのあとは「ちょっと煮詰まったし勉強しにいきますか?」と言いながらみんなで飲みに行ったりもしています(笑)

グループワークのメンバーはもちろんですが、授業で他の受講生と組むと、一人ひとりがまた違う高い専門性を持っていらっしゃることに気が付きます。こうしてポジティブに新しいことを学ぼうとしている方々と一緒に勉強できて幸せですし、本当にいい仲間に出会えたと思っています。

今後のキャリアにおける思いや夢を教えてください

社内のプロジェクトを進める中で、関係者との折衝や時間・費用の兼ね合いで、プロジェクトメンバーそれぞれが役割を全うし上手く納めようとすると、本来創出するべき価値を見失いそうになることがあります。

そうやって削られてしまいそうになる部分が、実は、空間デザインにおいて重要なところであることが多いのです。例えば、わかりやすい機能や色形ではないけれど、手触りや質感のような場の空気を決めるものだったりすることもあります。

大切なものを見失わないよう目印をたて続けられるように、そしてそのような重要で繊細な要素を作り手に託す際にも、作り手自身が気持ちを動かしていいものにしようと思って下さるように、作る【意味】を強く伝えられるようになりたい。より明確で強い【意味】でメンバーとつながり、プロジェクトを進められるようになっていきたいというのが目下の目標です。

FLAGを検討されている方へのメッセージをお願いします

経験を重ねると、自分の業務範囲だけで凝り固まってしまっている思考や癖が、多かれ少なかれきっとあると思います。

考え方のフィルターを外して新しいことを学ぶ経験は、既存の環境から一歩踏み出してこそ得られるものだと感じています。新しいことを、様々なバックグラウンドを持つ新しい仲間と学ぶ、そこで自分のパフォーマンスを改めて見つめ直すことというのは、既存の環境ではなかなかできないものです。

多様な先生がいらっしゃって、ビジネスにデザインの要素が太めにささっているのがFLAGの魅力です。世界的に活躍されデザインの中心にいらっしゃる日本デザインコミッティーの先生方との会話は、とても刺激的で学びも深いです。目からうろこが落ちる音が聞こえてしまいそうな気付きを得られた言葉も頂きました。

普段デザインから遠いからデザインのことを学ぶ、ということもあると思いますが、デザインの近くにいるからこそ得られる学びもあります。

一歩踏み出した先に広がっているものは壮大だよ、ということは伝えたいですし、私自身さらに学びたいという気持ちが強まっています。

 

<その他の受講生インタビューはこちら>

三保谷泰輔(①ものづくり・地域コンテンツ分野)

山本彩織(①ものづくり・地域コンテンツ分野)

石澤洋子(②地域の魅力プロデュース分野)

大上陽平(②地域の魅力プロデュース分野)

大城戸卓(③次世代を拓くスペシャリティ分野)